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●13日、英紙・ガーディアンは、中国がアフリカへの投資に際して、大学など高等教育施設の建設を推進し、アフリカ諸国から歓迎を受けていると報じた。写真は2008年6月、中国がコンゴ、トーゴ、中央アフリカなどアフリカ17カ国を招聘して行った農業研修。
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DIAMOND ONLINE 2013年5月10日 姫田小夏
http://
diamond.jp/articles/-/35703
世界の覇者になりたい中国の虎視眈々
ゴールデンウィーク期間中、日本は首相のロシア・中東歴訪をはじめ、11閣僚が欧米や東南アジア、南米・中南米へと外遊し、“安倍外交”を展開した。
関係悪化中の中国と韓国を外す形となったが、その中国の外交はどうか。
少し前の事になるが、習近平国家主席の就任後初の外国訪問のときのことを振り返ってみたい。
今年3月、中国の習近平国家主席がタンザニア、南アフリカ、コンゴのアフリカ3ヵ国を訪問したことは記憶に新しいところだ。
中国はこの訪問で、タンザニアとは農業、エネルギー、インフラ建設、またコンゴとは経済特区建設のほか鉄道建設などをめぐる経済協力の合意に達した。
2012年の中国・アフリカ間の貿易額は2000億ドル。
09年以来、中国は欧州を超え、アフリカにとって最大の貿易パートナーになった。
南アフリカではすでにハイテク技術を中心とした中国企業の直接投資が進んでおり、現地での雇用創出に貢献しているという。
■現地の内需拡大に貢献せず? 中国のアフリカ経済協力
しかし、今回の訪問に対し、欧州メディアからはこんな声が上がった。
「中国の新植民地主義だ」――。
中国のアフリカに対する協力は、結局中国の設備と人材を投入するだけで、何ら内需拡大に貢献しないと見ているためだ。
“
オール・バイ・チャイニーズ”――。
中国政府の旗振りのもと、中国企業を現地に進出させ、設備も人も持ち込むやり方は、今回に限らず過去数年にわたって「新植民地主義ではないか」といった議論の的となっている。
現地からも「地元のルールややり方を尊重しない」などの“中国流”を嫌う声は小さくない。
その一方で、筆者には、この習近平氏が2011年10月に殺害されたアフリカ北部・リビアの元最高指導者・カダフィ大佐にも重なって見える。
貧困にあえぐアフリカが望むものを次から次へと資金提供して与えたカダフィは、当時アフリカ54ヵ国の帝王となる野望を抱いていた。
カダフィ亡き今、その代役となるのが、まさにこの中国に他ならない。
ちなみに、
カダフィ存命中にリビアが稼いだオイルマネーは、カダフィの鶴の一声でアフリカ大陸にばらまかれていた。
南アフリカのアパルトヘイト撤廃に向けて、現地与党のアフリカ民族会議(※1)をサポートしたのもカダフィならば、アフリカ資本による通信衛星を計画したのも彼だった。
アフリカ通貨基金(※2)を創設しようとしたのも彼であり、アフリカ連合(※3)を財政的に支えたのも彼だった。
ちなみに、アフリカの人々は、カダフィの最終的な野望が「アフリカの帝王になる」という点で危険人物視はしていたものの、「なにも殺すことはなかった」という見解でほぼ一致している。
■アフリカから日本への「片思い」 ポスト・カダフィは習近平なのか?
カダフィ殺害からはや1年半。
今回の習主席のアフリカ歴訪に
「カダフィ亡き後を継ぐ実質的な支配者は、中国になるのだろうか?」
――筆者はそんな質問を、マリ共和国在住で中国問題に詳しいA教授に尋ねた。
すると次のような回答が送られてきた。
「アフリカは、これからの積極的な経済政策を行わなければならない段階において資金を必要とするが、今の欧州経済は弱体化し、どこも自国のことで手一杯。
もはや欧州に期待することができない状況下、これに代わるのが中国だ。
中国は短期間において、アフリカを経済支配するだろう。
我々も、“他の国”がアフリカに注目しないのであれば、中国にすがるしかないと思っている」
彼が言う“他の国”とは、日本を示唆している。
外資投資を必要としているアフリカのラブコールは、実は日本に向けられて発信されている。
欧米は旧宗主国であり、
中国は資源目当てだとすると、
残るパートナーは日本しかない、
と認識するためだ。
※1 The National Congress of Africa、略称ANC。ネルソン・マンデラ氏が1991~97年まで議長、94~99年まで南ア大統領を務めた。
※2African Monetary Fund、略称AMF。
※3African Union、略称AU。
しかし、当の日本は、
「アフリカは遠い」
「政情が不安定」
「汚職もひどい」
などの理由をつけ、結局アクションを起こさない。
その結果、市場は中国の手中に陥ちる。
アフリカ人識者らは「それは当然の結果だ」と受け止めている。
■アフリカの官僚を“洗脳”する中国
その一方で、A教授は中国がアフリカに対して抱く野望と現実の取引における危険性に対して、警戒を緩めてはいない。
だが、国民全体の教育水準は低く、アフリカでは中国の野望を十分に分析することができる人材が育っていないのが現状だ。
A教授は
「国民は文字を読めず、官僚は問題意識が低い」と嘆く。
教育の不足は国民のみならず、官僚もまた同じだ。
官僚に相応しい人材は著しく欠如しており、
そのアフリカの“官僚の人材育成”に手を出しているのも、実は中国なのである。
アフリカでは毎年350人の各国の官僚が、中国での研修のために出国する。
滞在期間は3週間から2ヵ月。往復の航空運賃、宿泊費に加え、一日80元(約1280円、1元=約16円)の生活費まで、すべて中国側が負担する。
研修プログラムは中国語や中国の文化に始まり、工業からIT、環境を含む産業や経済、政治など多岐にわたる。
「ひとたび中国でトレーニングを受ければ、彼らはすっかり中国に魅了されてしまう。ある意味“洗脳”されて帰国する」
と、A教授は打ち明ける。
アフリカでは今、このように「親中官僚」が毎年輩出され続けているのだ。
しかし、いまどきこんなことができる国など、中国をおいて他はないだろう。
中国はアフリカ支配の地歩を着実に踏み固めつつある。
■「歴史問題」という 便利な対日カード
日本では大きく報道されなかったが、去る4月6日から3日間、海南島で「ボアオ・アジアフォーラム」(理事長は福田康夫元首相)が開催された。
これは、ダボス会議のアジア版を目指し、中国政府の全面支援により2002年から毎年開催されている国際会議であり、各国首脳や大企業経営者、学者、NGO代表などの人材が集い、アジアや世界の経済動向、金融政策、経済投資、国際協力、環境問題などに関する討論が行われる。
開催期間中、中国のテレビは、ホスト役の習近平氏が各国の代表を迎え入れる映像をひっきりなしに放映していた。
日本の代表も招かれ、習近平氏と握手を交わすシーンが報道されたが、フロアの中央でドンと構える習近平氏に向かって、十数メートル離れた距離に立たされた日本の代表がトコトコと歩み寄る姿は、なんとなく“中華思想に基づくご機嫌伺いの朝貢貿易”を彷彿とさせた。
こうしたシーンを見るにつけ、果たして日本はいま、こうした大規模会議の主催国になれるのか、果たして日本は再びアジアのリーダーとなれるのか、そんなことをつくづく考えさせられる。
さて、翻って日中問題においてはどうか。最近、中国のある政治学者B氏と食事をする機会があったのだが、氏との会話は、日中関係の修復はそう簡単ではないことを改めて理解させるものだった。
というのも、中国は尖閣諸島の国有化問題を、歴史問題にまで絡め、これを争点にしてしまっているからだ。
確かに、昨年9月の反日デモ以降、日中間の摩擦の火の粉は「国有化」を起点に、政治、外交、経済、歴史と、あらゆる方向に飛び火した。
とりわけ歴史問題に言及することで、しばらく表面化することがなかった国民の反日感情を再び焚きつける形となった。
「この中国国民の憤りに対する決着をつけるならば、日本は侵略を認め、ドイツがポーランド・ワルシャワで行ったような『跪いての謝罪』でしか、中国人の溜飲を下げる方法はない」
とB氏は言うが、これはB氏に限らず、今多くの中国人が共通して心中に抱く感情のようである。
■日本は大国中国の「弟分」!? 中国の思惑は「回復」ではなく「逆転」
また、B氏からはこんな発言も飛び出した。
「経済的にも衰退した日本は、中国の弟分になることを認めたほうがいい」――。
裏を返せば、衰退する日本経済の足元を見透かしているということだ。
確かに、日本の「国民1人当たりGDPの世界ランキング」は上位に食い込んでいた2000年から低下し、11年には18位(※4)に落ちた。
「世界GDPに占める日本のシェア」も1990年の14.3%から、10年には5.82%(※4)に縮小した。IMD(国際経営開発研究所)が発表した「国際競争力順位」によれば、90年に1位の座を占めた日本は、08年は22位にまで転落した。
他方、“大国”になった今においても、中国には過去から引きずるコンプレックスというものが存在する。
「日本人はいつも中国人を見下している」
という被害者意識がそれらしいのだが、
「いつか晴らしたい屈辱」
なのだという。
日中関係、これは回復するものではなく、「逆転させるもの」だということが、B氏の発言から伝わってくるのだ。
とはいえ、今の中国には戦争はできない。
なぜならば、「もし戦争をすれば、世界が中国を脅威と見るからだ」(同)。
確かに、世界の覇者たらんとする中国にとって、各国が“どん引き”してしまっては、かえってマイナスだ。
“世界の嫌われ者”となることを極度に嫌がる中国は、そこは良好なイメージを保つべく、日本との関係改善も穏便に遂行したい思惑が伺える。
いつの間にか、日本に迫られているのは「戦後の総決算」になってしまった。
昨年秋の反日デモ当時に下された経済制裁のみならば、互恵互利でなんとか乗り切れる可能性もあったかもしれない。
しかし、さんざん日本から技術を吸収しキャッチアップした今、中国にとって日本から引き出せる魅力的なカードは、もはや尽きてしまっている。
残るは「戦後の総決算」、そして最後のゴールは「立場の逆転」というわけか。
確かに、中国外交部のスポークスマンの毎日の雄叫びも
「釣魚島は中国の固有の領土」から「日本は侵略を認めよ」に変わってきている。
日本を弟分に従え、アフリカでは新宗主国となり、アジアでもその覇権を握りたい中国。
大国として君臨せんとする中国の、世界史を変えようとせんがための野望と挑戦……。
そこにいよいよ、日本では“憲法9条” の改正論議が絡もうとしている。
事態はますます複雑化しそうだ。
※4 IMF「The Global Competitiveness Report 2011-2012」による。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年5月16日 22時12分
http://
www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=72322&type=0
中国がアフリカ諸国の取り込み図る手法は「大学の増設」、
真の貧困脱出の手助けに―英紙
013年5月13日、英紙・ガーディアンは、
中国がアフリカへの投資に際して、大学など高等教育施設の建設を推進し、アフリカ諸国から歓迎を受けていると報じた。
こうした投資は、西側諸国の投資項目には見られないもので、将来的に中国がアフリカの利権を大量に獲得する可能性とともに、アフリカ諸国が西側の競合相手になる可能性さえあるという。
14日付で環球時報が伝えた。
中国がコンゴ共和国に対して最初の援助を行った2008年、道路や鉄道の敷設、医療機関の建設以外に、より多くの国民に高等教育を受けさせるために大学の増設を推進した。
西側諸国が従来、教育方面で行ってきた投資や援助はせいぜい初等教育止まり。
これに対して、基礎学力の強化だけでなく高等教育分野の拡充も支援する中国のやり方は、これまでに見られない方法だった。
中国がこうした方法を推進するのは、教育こそが国際競争力の基礎であることを十分に理解しており、同時に、発展途上国において大学卒業証書がもたらす心理的効果の意味を認識しているからである。
「大学を卒業した」という事実は、貧困によって課される限界―世界への理解力や観察力欠如―から、その人物が脱出したことを証明する。
西側の援助の多くは、衛生的な飲み水や住居など、生きるための基本ニーズを満足させるものにすぎない。
これらによって、ある程度の経済発展や貧困からの脱出は保証されるが、そのままでは永遠に、欧米諸国に対する競争力を持つまでには至らないことを意味している。
西側が援助を提供するのは、競合相手を育てるためではない。
中国も同様である。ただし、長らく途上国であった中国は西側諸国と比較した場合、アフリカ諸国が模倣可能な発展モデルを提供できるという大きな魅力を備えている。
このことは、アフリカ諸国にとって生産力向上や工業化、選鉱の権利を獲得することを意味する。
現在、アフリカ諸国が直ちに中国と競合する存在となる可能性はないが、今後ある分野では西側の競合相手と成り得る。
例えば、コーヒーやココアの加工業が発展すれば、中国企業には何の波紋ももたらさないが、欧州の同業にとっては大きな影響を受けることになる。
今後仮に、中国企業とアフリカ企業の合弁が進めば、南アフリカに自動車メーカーを設立することも可能だろう。
従って、西側諸国は、中国とアフリカ諸国の関係を注視するとともに、今後の動向に注意すべきである。
』
中国の手法は日本のやり方を見習ったもので、とくに日本人にとって不思議なものではない。
援助に学校づくりや教育の普及を入れるのは、日本では当たり前のことなのだが、ヨーロッパでは行われていないという」ことのようである。
【「悪代官への怒り」】
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