2013年5月8日水曜日

日中韓FTA、日本が避けて通れない道:日本にとってはどうでもいい道

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●6日、強い日本が必然的に世界に利益をもたらすのかどうかはさておき、日本が「一流国」に戻るには、まず経済面でしっかりと地位を固め、成果を上げなければならない。資料写真。


レコードチャイナ 配信日時:2013年5月8日 7時11分
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日中韓FTA、日本が避けて通れない―中国メディア

 2013年5月6日、日本の安倍晋三首相の最もよく知られたスローガンは、「天皇陛下万歳」を叫ぶ前は恐らく「I am back、and so shall Japan be」だった。
 新華網が伝えた。

 今年2月、安倍氏は戦略問題国際研究所(CSIS)での講演「Japan is back」で、
 「日本は今も、これからも二流国にはならない。
 強く、世界の善に一層の貢献をなす日本が間もなく戻ってくる」
と主張した。

 強い日本が必然的に世界に利益をもたらすのかどうかはさておき、日本が「一流国」に戻るには、まず経済面でしっかりと地位を固め、成果を上げなければならない。
 これは安倍氏が6年前に突然首相を辞任したことから学んだ最も重要な教訓だろう。
 今回の政権復帰に際し、安倍氏は「アベノミクス」を携えてきた。
 大規模な量的緩和を最大の特徴とする財政出動政策によって、長期間低迷する日本経済を成長の軌道に戻そうとするものだ。

 だが、いくつかの経済指標はわずかな上昇傾向を呈しているものの、内生的成長の原動力の完全な回復にはまだ時間が必要であり、依然として貿易促進が安倍内閣の必然的な選択となっている。
 こうした状況の下での、極めて大きな経済的潜在力を秘める日中間自由貿易協定(FTA)交渉への安倍政権の煮え切らない姿勢には考えさせられる。

 2012年5月、当時の中国の温家宝(ウェン・ジアバオ)首相、日本の野田佳彦首相、韓国の李明博大統領は第5回日中韓首脳会議で、日中韓FTA交渉の年内開始を宣言した。
 その1年後、3カ国共に首脳は交代したが、計画通り3月にFTAの初交渉を終えた。

 だが交渉開始の数日前、安倍氏は国内の圧力を振り切り米国主導の「環太平洋戦略的経済連携協定」(TPP)交渉への参加を宣言した。 
 その背後に日中韓FTA交渉を牽制し、均衡を図る戦略的意図があることは明らかだ。

 世界の経済情勢を見ると、最も活力があるのはアジアだ。
 アジア回帰という米国の戦略もこの点を裏付けている。
 そして日中韓は共にアジアの重要な経済国であり、経済規模は世界全体の20%、貿易額は同35%を占め、15億人以上の人口も擁する巨大市場だ。

 日中韓自由貿易圏がひとたび成立すれば、日本に一層の経済的利益をもたらすだろう。
 だが安倍政権はTPPにより熱心だ。
 日本の麻生太郎副総理兼財務相は先月米国で「アベノミクス」の「三本の矢」について、金融緩和政策と財政出動による景気刺激策以外のもう1本の重要な矢がTPP、規制緩和、イノベーション促進を含む包括的成長戦略であることを重ねて表明した。

 同様に地域経済の自由化を目指している協定に対する安倍政権の不公平な扱いは、東アジア政治の相互信頼の欠如を浮き彫りにしている。
 領土紛争、歴史問題、軍事力建設、日中間のたゆまぬ衝突と競争。

 英紙フィナンシャル・タイムズはある記事で
 「中国との関係悪化で最も損失を被っているのは日本だ。
 日本は中国のような多様な貿易パートナー関係を持たないうえ、その経済成長といくつかの大企業の健全な発展は依然として中国の消費市場に大きく依存している」
と指摘した。

 日本は日中韓FTAのもたらす実益を放棄することはできないし、自国さらには東アジア地域の「中国依存症」を激化することも望んでおらず、他のルートを通じて均衡を図ることしかできない。
 さしあたり経済的利益より政治戦略を優先させることは、安倍政権にとって一つの手だ。
 日中韓自由貿易圏は構想誕生当初から紆余曲折を経てきた。
 3カ国にもたらすであろう経済的利益については早くから各国の研究機関により論証が重ねられてきたが、正式な交渉に入るまでまるまる10年もかかった。
 今後も一層の曲折を経る可能性がある。

 いずれにせよ、日中韓FTA交渉を軽々に放棄することは安倍政権にもできない。
 国内政局の安定は、経済成長に大きく依存している。
 「Japan is back」の夢を実現するには、日本は経済立て直しという難題を避けて通れないし、中国の台頭を避けることはなおさらにできない。

(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)


 2/3世紀を経た今の日本は
 「なにも反日を国是に掲げている国と深く付き合う必要はない」
というのが通論だろう。

 日本としては、日中韓FTAはあえてこちらから頭を下げていくことではなくなっている。
 どうでもいいことの一つに過ぎない。
 韓国とは向こうから申しいれてきたスワップ終了によって、もはや日本が手を差し伸べる国ではなく、強いていえばライバルという形で叩き潰してもいいほどの国になっている。
 韓国は、「中国を唯一の選択肢」にしており、円安で国内市場を荒らされているいま、日本とは手を組もうといく気にはならないだろう。
 「底知れぬ不景気」に落ちつつあるいま、韓国にとって不況を促進するようなFTAは少々煙ったい。

 中国は尖閣問題で経済制裁をかけてきた相手であって、仲良くできる間柄ではなく、
 それに刺激されて
 日本はいま「脱中国」をメインに据えて、
 次世代の経済構想の実現に邁進している。
 その答えが出るまでは、日本は禁煙のような脱中国という苦しみを覚悟して取り組むことになろう。
 苦しみ承知の上での行動になる。
 苦しまないと、先が見えないというのはセオリーである。
 今もよく、明日もよい、なんてことはありえない。
 その目的にあっては、FTAは強いて結ばねばならぬ協定ではなくなってきている。

 中国としては脱中国を推し進めている日本をなんとか繋ぎ止めておきたい、という願望がFTAへの執着として出てきているように見受けられる。


レコードチャイナ 配信日時:2013年5月17日 6時16分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=72168&type=0

日中韓印豪ASEANが連携する世界最大の広域経済連携、
TPPよりメリット大―2年後妥結目指す


●東アジアのほぼ全域をカバーする自由貿易協定(FTA)である東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉がスタートした。実現すれば人口34億人(世界の半分)、GDP20兆ドル(3割)、貿易総額10兆ドル(3割)を占め、世界最大の広域経済圏となる。資料写真。

 東アジアのほぼ全域をカバーする自由貿易協定(FTA)である
 東アジア地域包括的経済連携(RCEP=アールセップ)
の交渉がスタートした。
 2015年の妥結を目指し、実現すれば人口34億人(世界の半分)、GDP20兆ドル(世界全体の3割)、貿易総額10兆ドル(世界全体の3割)を占め、欧州連合(EU)を凌ぐ、世界最大の広域経済圏となる。
 米国主導の環太平洋経済連携協定(TPP)と異なり、緩やかな連携協定なので取りまとめが容易。日本にとっても有利との見方もある。

 RCEPは東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と日本、中国、韓国、豪州、インド、ニュージーランドの合計16カ国が参加。
 域内の関税引き下げ、サービス貿易に関する制限の撤廃、投資の促進・自由化などに取り組む。
 貿易や投資の円滑化により、国際的、地域的なサプライチェーン(供給網)の整備を促す狙いもある。

 すべての関税撤廃を原則とするTPPに比べ、RCEPは参加国の個別かつ多様な事情を認識する仕組みなので各国の発展段階に沿った歩みが可能となる。
 このため所得が低く経済基盤が未整備な新興国も参加しやすいとされる。
 
 交渉分野は、
(1).物品貿易
(2).通信や金融などサービス貿易
(3).投資
(4).経済及び技術協力
(5).知的財産
(6).カルテルを抑える競争政策
(7).紛争解決
(8).その他
―の8項目。
 5月半ばにブルネイで開かれた初回会合で、関税とサービス貿易、投資の3分野で作業部会を立ち上げることになった。

 関税の作業部会では、まず関税を下げる対象品目を決め、その後に引き下げる期間を協議する。
 日本は、RCEPについて「ASEANと各国のFTAが基本になり、農業分野は関税の交渉品目に入らない可能性がある」と分析。
 このため、関税の原則自由化を掲げるTPPより各国が協調しやすいと見られる。

 ただ、新興国を多く含むRCEPはTPPよりもルール作りに時間を要するのは必至。
 日本、豪州は「全参加国共通の関税率にする必要がある」と主張しているが、中国、韓国、インドは「相手によって別々の内容にすべきだ」と要求している。
  
▽日本企業の成長戦略の目玉に

 FTAの最重要課題である関税問題では、ASEAN、日本、豪州、ニュージーランドは「全参加国が共通の内容で撤廃や引き下げを約束する」との立場だが、中国、韓国、インドは非公式に「品目ごとに撤廃や引き下げの中身を変える余地を残すべきだ」と要求している。
 個別交渉の余地を残せば自由化の水準にばらつきが出て、広域でFTAを結ぶ利点が薄まる。
 
 ASEAN諸国、中国、インドにサプライチェーン(供給網)を持つ日本企業にとってメリットは大きく、成長戦略の目玉となり得る。
 製品、部品、投資などの妨げとなる壁を低くして、域内で共通の貿易・投資のルールを整えれば企業の生産体制はさらに低コストで迅速に機能するようになる。

 RCEP参加国は経済発展の段階が異なり市場開放の程度もまちまちだが、世界一の成長センターアジア市場を束ねるため、将来性はTPPよりはるかに大きい。
 TTP交渉では、日本にとって最優先課題だった対米自動車関税撤廃が先送りになる一方、守りたかった農業分野は事実上聖域視されない方向となってしまった。

 2013年中の合意を目標とするTPP交渉の加速をにらみ、第2回会合を9月に豪州で開催する。
 第3回会合は来年1月にマレーシアで開く予定で、2015年末の交渉妥結を目指す。
 アジアをけん引する先進国日本が交渉を引っ張り、高い水準の自由化を実現するようけん引すべきである。


 こういう協定の存在は完全に「日中韓FTA」の存在の意味をなくしてしまう。
 もはや、「日中韓FTA」は破棄されたとみていいだろう。
 中国にとっては手痛いが。





【「悪代官への怒り」】




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