2013年5月13日月曜日

アベノミクスで最も重要な3本目の矢は放たれるのか?:その矢とは「成長戦略」

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●10日、安倍首相が打ち出した経済政策「アベノミクス」で最も重要なのは3本目の矢にあたる成長戦略だといえる。写真は東京。


レコードチャイナ 配信日時:2013年5月13日 8時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=72210&type=0

アベノミクスで最も重要な3本目の矢は放たれるのか?―中国紙

 2013年5月10日、日本の安倍晋三氏は首相に就任して以来、「アベノミクス」と呼ばれる経済政策を打ち出し、経済方面でいくつかの大きな取り組みを行うとし、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を「3本の矢」と表現した。
★.1本目の矢に当たる量的金融緩和という手段は限界に近いレベルで運用されており、
★.2本目の矢に当たる財政政策は補正予算の拡大や被災地の復興資金の増額を通じて行われており、毎年の財政支出の半分以上を国債の発行でまかなう日本には、もうほとんど余地は残されていない。
★.今最も重要なのは、3本目の矢にあたる成長戦略
だといえる。
 経済参考報が伝えた。

 日本政府の経済成長戦略の研究に責任を負う産業競争力会議が今年4月末に提出した対策には、医療分野などでの新産業の育成、女性が活躍する社会の実現、特区建設を中心とした企業を拘束する各種規定の緩和などが含まれる。

 同対策の内容をながめると、次の3つの特徴があることがわかる。

①.第一に内容が貧弱だ。
 最も具体的な対策は日本版「国立衛生研究所」(NIH))の創設で、現在は文部科学省が管理する基礎研究、厚生労働省が管理する臨床研究、経済産業省が管理する産業育成という具合に分散しているものを内閣官房が設立した国立衛生研究所に集中させるという。
 狙いは人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究成果の実用化を加速させることにある。
 このプランは目新しいものだが、実現には大きな困難がつきまとう。

②.第二に新味に乏しい。
 同会議は関連規定を緩和し、東京、大阪、名古屋の三大都市圏に国家戦略特区を建設し、「世界一ビジネスがしやすい環境」にするとしている。
 これは民主党政権が2010年6月に制定した「新経済成長戦略」を踏襲したものに過ぎない。

③.第三に困難に直面すればすぐに退却する頼りなさだ。
 雇用制度の改革でも同様だ。正社員の新陳代謝にプラスとなる解雇規制の見直しは、産業競争力を高めるには不可欠のものだ。
 3月15日に行われた会議では、正社員の解雇規制の見直しが提起されたが、ただちに野党の猛反対に遭い、「安倍政権はクビ切りを自由化する」と批判を受けた。
 すると安倍首相は厚生労働省に代替案を提出するよう指示した。
 現在、日本企業は激しい競争にさらされており、解雇が難しい正社員を大幅に増やすことをせず、非正規雇用者を採用して人手不足をカバーしている。
 非正規雇用者の待遇が低下しており、若い世代が最も割を食っている。
 解雇規制を緩めれば、企業は正社員の雇用を増やすことになる。
 だが参議院選挙を間近に控え、解雇という話題は非常にデリケートであるため、ひとまず引くしかない状態だ。

★.総じていえば、
 「デフレと経済成長の鈍化」
が日本が「失われた20年」を経験して以来解決できていない二大問題だ。
 中でも経済成長がカギを握る。
 安倍首相は2回目の登板で、初めて首相に就任した時には経済政策の失敗という苦い果実を味わい、現在も何かよい方法があるわけではない。
 安倍首相は2本の矢を放ち、円高の問題を一時的に解決したが、
 経済成長の問題は未解決で、デフレという厄介な症状も改善されていない。

 奇妙なことに安倍首相の支持率は上昇の一途をたどっている。
 その主な原因はアベノミクスが短期的な効果を上げたことのほか、安倍首相が「民族主義カード」を切ることに力を入れ、ますます右傾化していることにある。
 だが長期的にみれはこうした傾向はよいことではない。
 経済成長の本当の恩恵を被ることができなければ国民はより深い失望を味わい、極右化する可能性があるからだ。
 そうなれば世界の人々の信頼を失い、
 自分で持ち上げた石を自分の足に落としてケガをする
ようなことになってしまう。
(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/TF)


 「経済成長」を行うには少なくとも2つのことが必要になる。
1].一つは価格
2].ニつ目は市場
だ。
 価格は円安誘導で見通しがたっている。
 しかし、市場はどうか。
 現政権の市場観は、
 「安易な中国依存からの脱却」
だろう。
 「失われた20年」を演出したのは、
 努力もせずに安易に中国という甘い市場にもたれかかり、
 「世界という市場を忘れたからにほかならない」
というののが大勢の見方だ。
 その結果、日本の貿易の依存率はアメリカを抜いて中国が一位になり、率でいくと20%を超えてしまった。
 まさに、日本のバブル崩壊からの20年は中国の成長の歩みと軌を一にしてきたといってよい。 
 韓国は日本が中国に傾注する間に世界をターゲットにして急速な成長を遂げることができた。
 だがその韓国はいま、「中国を唯一の選択肢」ということで、逆に「世界から中国に」という方向変換を行っている。
 日本はこれまでの市場観を壊して、「中国から世界へ」というのが
 おそらくは現政権の経済展望になっているのではないだろうか。
 それが、今後の経済成長の基本であり、失われた20年からの脱却でもあるととらえているのではないだろうか。

 ところで、問題は「中国から世界へ」であるが?
 「はい、そうですか」
とは簡単にはいかない。
 相当な身を切る努力が必要である。
 「自分で持ち上げた石を自分の足に落としてケガをする」
くらいの覚悟は当然のこととして持っていないといけない。
 経済システムを変えるということはそういうことで安易なことではない。
 システムが変わるには少なくとも3年はかかるだろう。
 中国から脱却して、世界に市場を構築していくということである。
 昨日今日でできることではない。
 その市場ができるまで、減り続ける中国市場のパーセンテージの貿易への反映は止まらない。
 つまり「経済成長」を行うにはその前に「経済低下」がやってくるということである。
 それが、中国のいう
 「自分で持ち上げた石を自分の足に落としてケガをする」
ということである。
 中国への依存率はおそらく現在の7割くらいまで落ちるだろうし、落ちる覚悟を日本の産業界は持っているだろう。
 その分を、新たな市場を開拓して成長させ、振替えるということが必要になる。
 アジア周辺諸国から始まって、南米、そしてアフリカまで手を伸ばしていくことになる。
 言い換えれば、
 「中国が開拓した市場を奪う」
という形で新たな市場を創出することになっていくだろう。




【「悪代官への怒り」】




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