2013年5月7日火曜日

中国の新指導部、恐れるべきは気候変動? 政変の引き金にも

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●洪水後の川に浮かぶ化学薬品の容器


CNNニュース 2013.05.06 Mon posted at 17:39 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35030923.html?tag=top;mainStory

中国の新指導部、恐れるべきは気候変動? 政変の引き金にも

CNN)
 ここしばらく、中国の河川に関しては悪いニュースばかりが流れている。
 最初に、ある川で何千匹もの豚の死骸が見つかった。
 次に他の川でも何百匹ものカモの死骸が見つかった。
 そしてついには、何千もの河川が干上がりつつあるというのだ。

 中国当局の最新の調査では、国内の河川の数は、以前考えられていたよりも2万8千も少ないことが明らかになっている。
 中国の河川は長年にわたり、埋め立てられ、過剰に取水され、そして、干上がりつつあるのだ。

 中国では、きれいな空気も消えつつある。
 4月初めに発表された調査によれば、大気汚染によって、2010年に120万人の中国人が「早死」したという。
 中国環境保護部による別の調査によると、同年に環境悪化がもたらした損失は2300億ドルに上る。

 このような問題に対処する姿勢を見せている中国政府だが、
 環境問題解決のために経済成長を鈍化させることは決してない。
 中国の指導者は、公害や気象変動については、長期的に悪化している問題ではあるが、目の前の危機だとは感じてはいないようだ。
 中国共産党にとってより重要な課題は、経済成長であり、
 そして共産党自身が、力を維持し生き残ることだ。

 だからこそ、「アラブの春と気候変動」という論文集を中国の指導者に薦めたい。

 このリポートの序文でプリンストン大学のアンマリー・スローター教授は、気候変動が直接アラブの春を引き起こした訳ではないとはっきり述べている。
 それは、あまりに単純すぎる。
 しかし、リポートには、気候変動が社会変革の引き金となる緊張状態を生み出すという証拠が十分に示されている。

 リポートが掲げる事実をいくつか見てみよう。

 2010年には天候要因により、小麦の生産が、ロシアで33%、ウクライナでは19%減少した。
 また、別々の異常気象で、カナダで14%、オーストラリアでは9%、小麦の生産が減少した。
 これらの結果、小麦価格は7カ月の間に2倍になった。

 注目すべきは、世界の小麦輸入国の内、上位9カ国は全て中東諸国だという事実だ。
 そして2011年には、その内7カ国で、一般市民の死者まで出した反政府活動が展開された。
 世界の市場が一体化しているため、今日では、ごく一部の地域での異常気象が、世界中に影響を与えるようになっている。

 アラブの春と気候変動との間には直接の因果関係はないものの、関連性があったことは明らかにされている。


●中国新指導部は気候変動に注意すべし?

 異常気象が環境に影響を与えると、水不足や食糧不足につながり、価格高騰から疾病の蔓延(まんえん)まで様々な問題をもたらす。
 そして、これらの問題は常に、政府に対する抗議運動の原因となりうるのだ。

 中国の指導者が最も恐れるものは、大規模な抗議運動だ。
 中国では毎年、地方レベルでは何千もの反政府活動が発生していると言われているが、そのほとんどは、政府に鎮圧されている。

 これらの抗議活動の大半は、異常気象が引き起こす様々な問題、汚染、水不足や食糧生産の減少が、その遠因となっていることは中国政府も理解できるだろう。

 抗議運動が、中国政府にとり大きな問題となったことはこれまでは一度もなかった。
 しかし、アラブ諸国においても抗議運動は2011年まではそれほど大きな問題ではなかった。

 中国の指導者に、より持続可能な経済成長を実現する方法を見つけるしかないと納得してもらうことは多分可能であろう。
 「予防のほうが治療よりも安上がりとなることが多い」
という単純な結論になるのかもしれない。





【「悪代官への怒り」】




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