2013年5月7日火曜日

尖閣問題:中国が「不適切に引いた直線基線」を使って領有権主張


●尖閣めぐり中国の"基線"、「国際法に矛盾」米報告書
公開日: 2013/05/06



2013/05/07 06:37   【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201305/CN2013050701000788.html

中国が「不適切な基線」 尖閣めぐり米報告書

 【ワシントン共同】
 米国防総省は6日、中国の軍事動向に関する年次報告書を公表した。
 沖縄県・尖閣諸島をめぐり中国が昨年9月から
 「不適切に引かれた直線基線」を使って領有権主張を強めている
と指摘した。

 米政府は領有権問題で特定の立場を取らないとしているが、
 中国側の主張について法的に問題がある
との認識を示したものだ。

 報告書はまた、昨年、米政府を含む多数のコンピューターが外部から侵入され、その一部は
 「中国政府と中国軍が直接関与したとみられる」
と明言。
 こうして収集した情報が中国の軍備増強につながっている可能性を指摘した。




レコードチャイナ 配信日時:2013年5月8日 16時51分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=72097&type=0

米報告「中国の釣魚島領海基線発表は不適切」、
中国専門家が反論―中国メディア


●8日、人民日報(電子版)の報道によると、米国防総省は中国の軍事力に関する年次報告書の中で、中国が2012年直線基線方法を採用して釣魚島及びその付属島嶼の領海基線を発表したことについて国際法と合致しないと指摘した。資料写真。

 2013年5月8日、人民日報(電子版)の報道によると、米国防総省は現地時間6日、中国の軍事力に関する年次報告書を公表した。
 報告は釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題をめぐる日中間の動向に初めて多くの紙幅を割いたうえ、中国が2012年直線基線方法を採用して釣魚島及びその付属島嶼の領海基線を発表したことについて国際法と合致しないと指摘した。

 この問題について中国国際問題研究所の曲星(チュー・シン)所長は
 「国際法には領海基線に関して複数の設定法がある。
 国連海洋法条約によると、沿岸国の領海基線確定には通常3つの方法がある。
 通常の基線、直線基線、混合基線だ。
 通常の基線では、沿岸国が公認する大縮尺海図に記載されている海岸の低潮線とする。
 直線基線では、海岸線が著しく曲折しているかまたは海岸に沿って至近距離に一連の島がある場所において、海岸または至近距離の島の上の適当な点を結んで直線基線を設定することができる。
 混合基線は通常の基線と直線基線を適時用いて領海基線を設定する方法だ」
と説明。
 中国の釣魚島及びその付属島嶼での領海基線設定方法は直線基線法の状況と一致しており、国際法に合致したものだ」
と指摘した。

 外交部(外務省)の華春瑩(ホア・チュンイン)報道官は7日の定例記者会見で、この件に関する質問に
 「釣魚島及びその付属島嶼は古来中国固有の領土であり、中国が争う余地のない主権を有する。
 中国政府が国連海洋法条約の規定に基づき釣魚島及びその付属島嶼の領海基点・基線を設定し発表したことは関連する国際法と国際的慣行に完全に一致している。
 米側は日中間の領土紛争において特定の側につかないと繰り返し表明している。
 米側が言動を一致させ、中米の相互信頼と協力、地域の平和と安定にプラスのことをするよう希望する。
 誤ったシグナルを発するべきではない」
と表明した。

 2012年9月に日本政府が釣魚島及びその付属島嶼に対していわゆる「国有化」を行った後、中国政府は抗議するとともに、公船と航空機を繰り返し釣魚島(尖閣諸島)に派遣して巡航を行った。
 9月10日、中国は釣魚島及びその付属島嶼の領海基線を発表した。

中国が領海基線を発表することの意義は?

法理・技術両面で主権の基礎を明確化

■周永生(ジョウ・ヨンション):外交学院日本研究センター副主任

 領海基線の発表は非常に強力な反撃措置だ。「中華人民共和国領海及び接続水域法」に基づき、外国の船舶が中華人民共和国の法規に違反していると考えるに十分な理由がある際、中国の主管機関は当該船舶に対して追跡権を行使することができる。日本は中国の抗議と要求、主権を無視して、釣魚島(尖閣諸島)の「国有化」を貫いた。中国が領海基線を設定するのは法理上、技術上主権の基礎と境界線を明確化し、釣魚島(尖閣諸島)に対する今後の実効支配の基礎を固めるものである。領海基線を設定して初めて12海里の領海と200海里の排他的経済水域(EEZ)を確定できる。この観点から言って、中国国家海洋局の取り組みは実にしっかりとしており、法理と技術の結合レベルにおいて日本を大きくリードすることとなった。

■曲星:中国国際問題研究所所長

釣魚島及びその付属島嶼は中国に属し、領海基線の発表は当然のことだ。2012年9月を選んで発表したのは、それまでは釣魚島(尖閣諸島)問題において日中双方の間に係争棚上げ、当面現状維持との共通認識があったからだ。日本側の「国有化」は法理上の挑発だ。したがって中国側も法律レベルで反撃措置を講じた。中国は自ら挑発はしないが、挑発を前に断じて譲歩はしない。日本政府は中国の反対を顧みず、独断専行で「島購入」を宣言した。これは重大な挑発行為であり、中国側の感情を再び傷つけ、日中両国民間の一層の感情的対立を招いた。現在、釣魚島(尖閣諸島)問題の外交的解決の可能性は著しく狭まっている。

■馬暁霖(マー・シャオリン):博聯社総裁

中国政府が釣魚島及びその付属島嶼の領海基線を発表したことは、これらの島嶼に領有権争いが存在することはもう認めず、中国が争う余地のない、交渉の余地のない主権を有することを明確化することを意味している。中国政府は今後主権を示し、行使し、守るといった一連の後続措置を講じ、中国の核心的利益を武力で守る可能性も排除しないと信じている。中国は釣魚島及びその付属島嶼の領海基線を設定・発表することで、「中華人民共和国領海及び接続水域法」および「国連海洋法条約」に基づき、基線以内は内水、基線外12海里は領海とする権益を明確化した。

(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)





【「悪代官への怒り」】




_